11.28.2011

寄沢散歩

2011_11_27
日曜日
メンバー 太郎、伊藤フミヒロ記
2時半から2時間ほど初めてのヤドリギ沢。太郎と辺りの様子を見る
赤と緑が太郎

11.25.2011

立山スキー


立山スキー
2011年11月22-24日 火水木 
メンバー 北だ、ヒロユキ、古川、武田大すけ、川崎カメ、高城ビデオ 伊藤フミヒロ記
雷鳥沢方面、積雪は必要じゅうぶん

22日 晴れ
明け方高城カメちに向かうが相原坂上信号待ちで追突される。ベンツ中破、ぷじょーかすり傷。9時扇沢で全員集合。積雪5センチ。室堂晴天積雪50cm。雷鳥荘にチェックインして午後称名川左岸を数本滑る。雪は少ないが良質粉雪で快適。
剣御前へ

23日 晴れのち曇り
8時スタート、雷鳥沢を上り剣沢で滑る。風強めで他に人なし。積雪たっぷりで快適。雷鳥沢に戻って川まで滑る。ランチのあともう1本登って滑る。児玉組合流。
剣沢。快適

24日 風雪強い。完全装備でターミナル移動。上原の湯、三洛によって帰京。
21日の降雪でやっと滑れるようになった。山中も宿も例年の10分の1でガラガラ。雪がくるのが遅すぎた。けれど来てみればいつもの感じで滑ることができた。ラッキー。ダメもとでやってきた人には大当たりだったね。
シーズンイン、やりたいことだいたい出来たよ

11.21.2011

山北三山散歩


山北三山散歩
2011年11月20日 日曜日
天候 晴れ 

メンバー 太郎、伊藤フミヒロ記
山北3山と洒水の滝、山北町の代表的ハイキングコース

立山のスキーは雪不足で延期。昨日はあたたかい嵐だったが今日は好天。
昼過ぎに太郎の散歩にでかける。いつも通り過ぎるだけで見たことのない山北の河村城址と洒水の滝を見たい。
山北3山のうち東側手前が丸山。国道246からよくみえるまん丸な山。山北で左折小田原道へ入る、すぐ左折して民家の間を上るとすぐバリケードが、となりに丸山公園があった。芝のきれいな公園から国府津の海、箱根明神ヶ岳などいい景色。向かいにこれから行きたい浅間山が。
浅間山から酒匂川、明神ヶ岳と金時山、矢倉岳

小田原道に戻り南へわずかに下ったところで右折河村城址の看板。全山みかん山のようだ。浅間山頂へ続く細道を上がって最高地点で車を置いて山頂へ。テレビ塔がふたつ。なぜか諏訪神社があった。
車に戻ってみかん道を下る。城山城址の分岐には工事中で車もヒトも通行止めと。
日向に下り、バス停から右折してミカン農家の間の細道をがんがん上がる。行き止まりが狭い駐車スペース。城址までは15分と標識があった。造林地と自然林のあいだを登ると広い城址に出た。河村城という大きな城があったらしい。敷地の半分は調査中で閉鎖中。全公開するころには道や駐車場が完備されるんだろう。
河村城址

山城なのに想像以上に広い敷地。ここは足柄峠に近い。ほかに丹沢の城ヶ尾峠、道志の道坂峠、さらに甲府へという古道沿いでもある、という。小田原や鎌倉へ続く街道の要衝だった、らしい。城の南は酒匂川だが、北には皆瀬川が流れていたという。いま皆瀬川は酒匂川に注いでいるが昔は山北の村中を流れていたという。御殿場線がそれ、川の跡だというんで驚きました。ヒトが無理やり流れを変えたらしい。
 山北、向原、惣領、庶子、日向などの地名の由縁がなんとなくわかった。山中湖や平野の村人が明神峠や世附峠を越えて出稼ぎに来たのはこのミカン畑だったんだな。

 酒匂川を渡り洒水の滝へ。大昔からの名所らしく寺や出店や旅籠がある。無料駐車場から谷間を行くとどんづまりに高くて細い滝があった。名ばく、名水の源流は矢倉岳。帰り道に農家の出店でみかんなど購入。昔の味がする。どのくらい市場にだせるんだろうか。
 紅葉シーズンとあって東名道は大渋滞。紆余曲折して行くが246大和あたりですっかりはまる。山北から自宅まで3時間近くかかったかも。
洒水の滝

11.10.2011

大室山探索


大室山探索
2011年11月5日 日曜日 くもり
メンバー 太郎、 伊藤フミヒロ記
富士山北西の寄生火山

大室山マップ

長文ですーー。
大室山1468mは、富士山では宝永山に次ぐ2番目の巨大寄生火山だ(側火山ともいう)。宝永山のように有名な人気ハイキングルートではないので、山頂に登る登山道はない。このあたり一帯は青木が原樹海、ブナ原生林、富士風穴など見所がたくさんあって、エコツアーなどでヒトがたくさん入り込んでいる。それはそれで楽しいハイキングなのだが、決められた歩道ばかりを辿るのは物足りない。少し外れてひと気のないトレイルを歩いてみたい。行きかうヒトがいないので寂しいかもしれないが、静かな山道が味わえるだろう。地図に登山道が引かれていなくても現場に行ってみるとトレイルがあるところはたくさんある。案内書に載っていない大室山のトレイルを歩いてみようと思った。
大室山周辺は、開拓道路(富士宮鳴沢線県道71号)の脇に車を停めて周遊するとかんたんで都合がいいのだが、今日は鳴沢林道天神峠(精進湖登山道1合目)から登山道を下るようにしてスタート。9時。国立公園の特別保護地区なんで太郎は放さないことにしよう。
精進湖登山道を緩やかに下る。鳴沢口登山道とも呼ばれる立派な道で数人が並んで歩けるほど。街道のよう、車も必要があれば入ることができたのかもしれない。大正時代に作られた道だというから富士講とはあまり縁がないようだ。青木が原樹海の大きさを実感できる観光登山道、といえば聞こえはいいが、精進湖畔の赤池からスタートして富士山頂に至る行程は恐ろしく長い。1合目までが延々樹海の中、直線で8kmある。5合目までさらに7km。5合目というのは吉田口(河口湖口)ルートの5合目、富士スバルラインの終点のこと。こんなに長いルートを辿る登山者は今どき皆無に違いないからほったらかしになっているのでは、と思いきや、今でも整備が行われていて歩きやすくて美しい道なのである。山麓探索のヒトがときどき訪れている。近頃は流行のトレイルランナーに会うこともある。富士山原始林の中を行くということで、前述どおり全沿線が特別保護地区に指定されている。他の登山道と異なってこの点が本人にとってもっとも自慢できる特徴だ。だが今朝は誰にも会うことはない

以前、5合目からお中道、奥庭を経て3合目まで原生の森を下ったことがある。うっそうとした針葉樹と広葉樹の混交林で林床には地味だがきらりと光る高山植物が点在していた。3合目は草原の荒れた広場になっていて小屋跡があった。少し下ってスバルライン3合目のバス停に出ることができた。精進湖登山道は今も生きているのである。
google earthでみる大室山と火口

青木が原樹海は広いな大きいな、と思いながら1時間以上も歩く。秋も深まって針葉樹の樹海の森に、ところどころ間違えたかのように鮮やかな色彩を放っている紅葉がまぶしい。ようやく大室山の北麓に着く。
赤いツナギを着て赤いヘルメットを被ったファミリーに出会う。となりにエコツアーのガイドがいて自然観察中らしい。赤いユニフォームはお仕着せのもの。
このあたりは、長尾山火山、氷穴、氷池の列状火口あたりから流れ出た溶岩が全面に広がって青木ヶ原樹海となったところ。溶岩が流れ出たのはごく最近、とはいっても1100年前の火山活動だが、もっと古い火山である大室山はその流れに埋もれることなく陸の島として残された。今その溶岩流の岸辺に立つわれわれは、溶岩の上にできた新しい針葉樹の樹海と、古い陸である大室山のブナ森の対比を目の当りにすることができる。そんな解説をエコツアーのガイドから聞くともなく聞いて、とても勉強になる。
確かに大室山の斜面は豊かなブナの森となっていて、その先わずか数十メートルには苔むした溶岩の上にヒノキやシラビソなどが鬱蒼とする樹海がある。百聞は一見に如かず、の光景だ。山梨100の森という看板があって、このあたり「ブナ広場」が通称。
エコツアーチームの後を追うわけでもなく付いていくと、有名な富士風穴に到着。直径40m、深さ20mほどの巨大な穴が地表にあいていて冷気が昇ってくる。エコツアー一行は石階段を風穴の底に降りていく。これからヘッドランプをつけて溶岩洞穴内を探索するのだ。富士風穴は噴火口ではなく、溶岩の厚い流れの中にたまたまできた大きな空洞だという。ほかのエコツアー会社のグループもやってきて、自然保護パトロールのユニフォームを着たチームも現れてこのあたりはにぎやかだ。
石塚火山の火口壁

富士風穴を後にして、もう一度ブナ広場にもどり、GPSのマップを見ながら溶岩流の岸辺を辿る。地図には記されていないが踏み後が南西に続いている。事前チェックでは、この先には本栖風穴と石塚火口があるはず。左手が大室山山頂に続く広葉樹の明るい疎林。右手がうっそうとした樹海、右側に注意しながらしばらく行くと浅いお盆のような火山地形が出てくる。本栖風穴か? 多分そうだろう、と写真を撮って通り過ぎる。のちほどネットなどで調べると、大きな窪みの中に一箇所、小さくて深い穴が開いていてそこをロープを使って降りると洞穴が奥に続いている、のだという。ケービングの専門家たちの世界らしい。地図上の本栖風穴の位置がずれていて実際とは異なるとも報告されていた。このあたり洞穴がたくさんあるので混乱しているのかもしれない。
緩い上りになってしばらく行くと右手に1198mの小山が現れる。これが石塚火山のはず。レーザープロファイラーで撮影した航空写真にも針の穴のような石塚火口が見てとれる。ひと登りしたところが峠で、右に折れて石塚山に登ってみる。大きな岩がゴロゴロする斜面を登ることわずか、小ぶりだが立派な噴火口が現れた。なるほどふむふむという気分。直径30mほど深さは20mくらいだろうか。火口に降りてみる。苔、また苔の噴火石と朽ちた倒木に埋まっているが、見上げる火口壁は立派。ぐるりと囲まれた火口の底からは狭い空が見える。太郎があたりをかぎ回っているがこんなところにシカやイノシシがやってくるのだろうか。

対岸を登り返して再び火口縁に立つ。その向かいに小さな浅い窪みがあって、これもやっぱり噴火口ではないかと類推する。赤ん坊のような可愛い噴火口だ。
大室山の脇に小さな吹き出物のように寄生するこの石塚火山1198mは、大室山と同じ古い火山なのだろうか。それとも青木が原樹海を作った火山活動と同時期に活躍した小兵なんだろうか。溶岩石がごつごつと積み重なった石塚山とやわらかい広葉樹に包まれた大室山とは出自が異なるように見えるのだが。

石塚火山から先へ、トラバースするようにして溶岩岸の道へ戻る。等高線の間隔の広いところがあって、じっさい素晴らしく明るい広場が現れる。足元を見ると苔むした石がきれいに並んでいる。付近に大徳利や瀬戸物が見える。炭焼き小屋の跡らしい。少し離れたところに炭焼き窯の石積みがあった。天国のようなこの広場で、かつて山人ののんびりとした日常があったんだろうなと想像する。人気ハイキングルートを辿ってばかりいては、このようなつつましい遺構に出会うことはないだろう。
大室山のブナ森

さらに踏み跡を進む。地形図にある開拓道路から周回するトレイルに合流。あたりはスギの植林帯だ。大室山を周遊する道があるのではないかと先に進むが、踏み跡がケモノ道に変わり、やがてスズダケのヤブに阻まれる。はるか向こうに国道富士宮線や朝霧高原、天子山塊が見える。富士山麓には本当の原生林はそれほど多くない。相当部分が植林された森だったりする。だから山中には林道やら仕事道が縦横していて想像以上にヒト臭い。だからあちらこちらを平気で歩き回ることができるのだ。このあたりにもきっとはっきりした作業道があってさらに先へと通じているはずなのだが、今日は見つからなかった、というだけのことだ。
今日の太郎はおとなしい。リードでつないでいるからだが、ときどきキジを追いかけようとしたり、イノシシの匂いにコーフンしている。

大室山を周回するのは面白そうだと思ったのだが、今ここでヤブをかき分けて進むほどの根性はない。引き返すことに決めて、そうだ、大室山の火口へ上がる道はないものか、と見上げるが、植林帯の上はヤブに覆われている。大室山の南面は日当たりがよいのか、スズダケとアセビなど潅木のヤブとなっている。駿河湾からの風が直接吹き上げてくる南面は南国のような植生に見える。
大室山西面に戻ってくると深い広葉樹の森に変わる。ササヤブが途切れて山頂に向かうラインが見えてくる。ここからは標高差で300mもない。スズダケとブナ森の境界線をジグザグに登る。200mほど登れば火口の縁に立てるはず。大室山の噴火口は頂上にあるのではなく、山頂の南側にかなりずれて口を開けている。2回3回と火口側へササヤブの突破を試みるが、厳しい。少し登ったところでシカが飛び出す。親、子、親、子と4匹。太郎がコーフンして押さえつけるのがたいへん。
シカの出てきたあたりでケモノミチを辿るとようやく火口の縁に出ることができた。直径500mはありそうな大火口。火口壁は急でも緩慢でもなくきれいなちゃ椀のよう。下をのぞくと湿原のような美しい火口底が見える。なんだか気分がうわずってスズダケの中のケモノ道を急ぎかき分け下る。と赤布を発見。50mほど下って底にたどり着く。
芝生のように見えたのは風知草だった。あたり一面に生えていて風にそよいでいる。クルミやミズナラの大木が三々五々立っている。石塚火山のような苔で湿った火口ではない。日当たりのよい明るく開けた形状。ヒトの残した形跡はまったく見えない。シカのフンがたくさんあって彼らの楽園になっているのにちがいない。
大室山火口底

山頂部へ続く火口壁は高いが、南側の溶岩の流出口であろう火口縁の窪みにはすぐに登れそう。100歩ほどの上りで火口縁の最低鞍部に出ることができた。風当たりが強い。静岡側に広い展望が開けている。そのずーっと先は海だ。
開拓道路あたりから大室山火口を見ると、この窪みがあって火口は半分崩壊しているかのように見えたのだが、火口縁は完全で、きれいな円周となっていることがわかった。
明るくて大きくて、きれいなお椀で言うことなし。富士山の寄生火山の中でも一、二を争う美しい噴火口と言えるだろう。昼を過ぎていたのでランチする。

火口から山頂に続くトレイルはないか、と探すが見当たらない。ヒトがスズダケを刈った跡もあったが続かない。それでもシカのトレイルを追って北側のブナの森に出る。山頂まではわずか。数年前の冬、スキーで山頂に立ったことがあるが、展望はなかった記憶がある。あたりの木によじ登って撮影した富士山の写真があったはず。山頂はそのときと同じだった。アセビの茂みの間から黒い富士山が見える。好事家が残した山頂のネームプレートがま新しいものに変わっていることに気がついた。

大室山の北面斜面は信じられないほどきれいなブナ森になっている。樹間は広く、落ち葉がたっぷり溜まっていて下りはラク、はな歌交じりだ。このあたりでも炭焼きが盛んに行われていたらしく、窯のあとをいくつか発見。太郎がくんくんと辺りをかぎまわる。しかしこういう昔の名残を見せられると、なぜか自分やなぜか人類の、来し方行く末に思いをはせてしまうのだなあ、とくにこのごろ。
1300mあたりで等高線伝いに南に下る廃道があるようだった。山の人の仕事道だろう。1250mで林道に出会う。長靴を履いた二人組みが向こうからやってきた。道を聞く。
神座風穴の先にある溶岩トンネル

「そこの道を行くと神座風穴、その先が精進湖登山道」と教えてくれる。どこへ行くんですかと聞くと 「この先の野尻峠の方…」ブナ広場から上がってきたのだろう。世の中にはこんな辺鄙なところをほっつき歩くのが好きな人が案外いるものだなと思う。手持ちのGPSのマップには風穴などの地名が載っていなかったので神座と聞いてそっちへ向かう。
神座風穴はトレイル脇にあった。溶岩洞穴のようだ。眼鏡穴はどこかわからなかった。1280mピークを回り込んで三叉路。ここで面白いトンネル洞穴を発見(とはいえ学術調査済みの札あり)。太郎の記念写真を撮る。1280mピークも寄生火山。ここには噴火口はないようだった。樹海のなかをたらたらと歩くと見覚えのある交差点に飛び出した。朝通った精進湖登山道。車まではさらに30分。3時過ぎに終了。

国立公園区分図
資料 山梨県のホームぺーじの自然公園の中に国立公園の特別区の区分図がある。富士山5合目以上、青木が原樹海、精進湖登山道、大室山、片蓋山山頂部などが特別保護区になっている。立ち入り規制はないがうんぬんかんぬん…。精進湖登山道の脇にある「原」というのはなぜ特別保護地区なんだろう? よく見ると富士山原始林の「原」の字だということがわかる。そのあたり(氷池の裏)は原始林のミホンということか。林道富士線脇。

富士山を知る見るハイキングガイド伊藤フミヒロ

11.08.2011

弓射塚氷池と列状火口2


弓射塚氷池と列状火口2
2011年11月3日土曜日 くもり
メンバー 桑原棟梁、太郎、 伊藤フミヒロ記
レーザープロファイラーの航空写真 1,2,3がミッキー、4が無名、5が列状
文化の日、河口湖パラエリアに寄ってみる。体験パラグライダーのお客さんは十数人とにぎやかだが、メンバーは桑原さんと佐藤ディレクターのみ。日差しがあって好天するかもとテイクオフに上がってみるが、結局雲が厚くなってフォローの風になって、下山。これで2000円以上の散財。

昼前に桑原さんと富士山西面の火口を見に行く。このあいだ見つけた氷池火口を歩いてみたい。天神峠の先に車を置いて、このあいだとは逆ルートで氷池へ向かう。1時スタート。太郎を放すとずんずんと先に走っていく。このあたりは彼にとっては踏破済みのエリアなのだ。
30分ほどで氷池の火口縁に立つ。なんとなく下れそうに見える。火口は直径100m深さ40~50mというところか。大きな噴火石や苔むした倒木を越えながら急崖を下る。桑原さんが先頭に立つ。現役の沢屋だからこういうところは得意だ。
火口底には氷池白太龍王の石碑があって一升瓶が3本供えてあった。地元の水の神様うんぬんと鳴沢村の広報に出ていたような気がする。対斜面は傾斜が緩く噴火石もなくて登りやすそう。で、そこを登り返して隣の火口も見に行く。
氷池火口縁のわな

ふたつの火口の間は狭くてひとまたぎ、2mほどしかない。となりの火口の方がずーっと大きいようだ。火口底に降りてみる。苔の大岩と倒木がごろごろしているがヒトの跡はない。
降りてきた踏み跡を戻って再び火口縁へ。太郎は?とGPSをチェックするとふたつの火口をとっくに先取りしてUターン。なんと1kmも後ろの樹海の中を歩き回っているようだ。迎えに行きようもない。
氷池火口底。石碑がある

双子の氷池火口の東側にもうひとつ同じくらいの火口のあることが、レーザープロファイラーの航空写真でチェック済みだ。そこに行ってみる。ササ藪をかき分けきれいな森に入る。ひと登りして第3の火口を見下ろす。広いがとても浅い火口で大皿のよう。緩い下りですぐに火口の底に着く。火口が埋まっているのか双子の火口と比べて極端に様子が異なる。こちらは落ち葉が積もった湿原か池のよう。
シカの角と遊ぶ太郎

この3つの火口をレーザープロファイラーの写真で見ると、三つが寄り添って正三角形に並んでいてミッキーマウスの顔のようだ。3つ子の火口なのかもしれない。生成の過程については専門家のレポートでも探してみよう。
第3の火口からは、このあいだ見た炭焼き小屋跡に下る。太郎は相変わらず樹海の中をひとり散策しているようだ。小屋跡の広場から往路に戻り林道まで下る。GPSで太郎が戻ってくるのが見える。ほどなくして首輪の鈴の音が聞こえてきた。2時間ほどのハイキング。
鳴沢林道沿いの無名火口

航空写真で鳴沢林道脇にも小さな火口があることが見てとれた。4の火口。見当をつけて車を停め、のぞいて見る。道端から50歩ほど、小高い丘に登ってみる。まちがいようない円形のクボミ、無名火口を発見することができた。林道からは見えない火口だ。直径30mほど。深さは数m。なるほどふむふむという気分。

天神峠に戻り、精進湖登山道1合目から列状火口を見に行く。大小さまざまな30ほどの火口がつながっているようだが、地図上の氷穴とあるのはどれなのかわからない。いくつか歩いてみたが、どこか落とし穴にでも落ちるんではないかと不安になるほど。あちこちで深い穴ぼこや火口壁に出くわす。
紅葉の美しい登山道に戻り暗くなる前に下山。
青が太郎。危険な樹海をひとりで縦横に移動している。いつか遭難しそうだ…。
しかし太郎の歩いているラインにもうひとつの列状火口がありそうだ
富士山を知る見るハイキングガイド伊藤フミヒロ

11.07.2011

河口湖紅葉フライト



河口湖フライトと初スキー
2011年11月4日金曜日 快晴
メンバー 佐野、菊池、斉藤、郷坪 伊藤フミヒロ記
十二ヶ岳あたりと西湖。この日は南アルプス、八ヶ岳などよく見えた

  昨日飛べなかったのでリベンじ。エリアにいくと平日暇メンバーがそろう。
11時にダミーで出てそこそこ上がる。逆転層があって稜線までがやっと。行ったり来たりしていると急に持ち上げられていっきに1860mまで。グライダーを安定させるだけで回す余裕がない。逆転層を突き抜けるだけの強いサーマルがあったんだね。うーんあんまり気持ちよくない。毛無山にわたると斜面風で順調に上がって十二が岳まで。山頂で登山者にあいさつ。気持ちいいですか?と聞かれたので「ちょっと怖いす」。後続の佐野機は毛無の下で上げ切れずリターンしていた。1分ほどの違いで差が出てしまった。
テイクオフ上空に戻って急旋回練習などしてランディング。昼過ぎにでた郷坪さんが1800mくらいで大石峠、黒岳、毛無と余裕で回っていた。午後のリフライト組3人は順調に飛べたようだ。
#837フライトで90分滞空。総計371時間52分。
hogmap #11516 
毎日が日曜日の暇人たち

富士山裾野を半周ドライブして夕方イエッティスキー場へ。今シーズンの初滑り。5本足慣らし。ネット割引1000円、プラス有料道路500円で済んだ。


11.01.2011

氷穴火口列と氷池


氷穴火口列と氷池

2011年10月30日 日曜日
天候 くもり
メンバー 太郎、伊藤フミヒロ記
氷穴火口列という表記の左のふたつ並んだ小穴が氷池の双子大噴火口
氷穴火口列と弓射塚、氷池_拡大 富士砂防事務所フジアザミ38号より

緑が太郎トラック

太郎、氷穴列状火口のひとつを見下ろす

朝からどんぐもり、午後は雨になるかもという予報。こんな日はハイキングがいいだろうと出かける。どこへ行くかなりゆきドライブ。北麓公園から丸紅富士桜をぬけてフジテンスキー場へ。鳴沢林道へ入り天神峠へ。精進湖登山口1合目に車を置く。
資料が手元にないのではっきりしないが、たしかこのあたりにいくつか見所があったはずと、GPSのマップを見る。精進湖登山道を上がって弓射塚(ゆみいづか)の下をトラバースするようなトレイルが引かれている。きっとヤブに埋もれた廃道だろうが、これを辿ってみることにしよう。

9時前にスタート。1合目から幅広の登山道を進む。傾斜が出てきた先に右に分かれるトレイルがあるようにマップからは読み取れる。右手に幅広い深い沢が現れる。これをどうやって渡るのか。絶壁の上から沢状をのぞき込んで気がついた。噴火口だ。たしか列状火口という地名があったことを思い出す。いくつかの噴火口が山に向かってつながっているようだ。沢なら水が流れるはずだが、火口が直列しているだけから水が流れようがない。
小さなケルンを発見。トレイルの入り口らしい。かすかな踏み後を行くと火口と火口の間をすんなりと越えることができた。すこし下ると幅広の林道にでる。マップのトレイルどおりに林道が延びている。シカよけの柵があらわれ、伐採植林地に出る。林道はこの植林地のためらしい。ちょうどいいので柵中に太郎を放す。動物が入れないから匂いもないのか、太郎はつまらなそうにひと巡りして戻ってきた。
氷穴列状火口。精進湖登山道脇


林道をさらに辿る。振り返ると弓射塚がよく見える。しばらく行くとなんのことはない鳴沢林道に出てしまった。少し戻ってマップトレイルどおり広くてきれいな沢状地形を登る。分岐の目印は1本ブナの巨木。ヤブをかき分け小尾根を越すと再びトレイルを発見。スズタケのうるさい細道を行くとシカ柵に出会う。右下が若い植林地で、鳴沢林道が下に見える。向かいには大室山や南アルプス、八ヶ岳まで見える。
柵脇をすいすい進んだあと、柵から離れスズダケの細道を行く。ここで太郎を放す、とさっさと消えてしまった。ヤブが濃くなってトレイルを失ったところで適当に下ると小さな広場に出た。
古い瀬戸物がふたつ転がっている。近くに炭焼き釜のあと。あたりは溶岩流の流れた傾斜の緩い樹海。おおよその見当をつけて進む。
作業林道から振り返る弓射塚

植林エリアで。今日はこの赤Tシャツをどこか捨ててきた

太郎はどこ?とGPSで動きを見ると、南側に見えるふたつの小山で遊んでいるようだ。様子を見にふたつの山のコルに上がってみる。
なんと、足元に巨大な火口が口を開けているのを発見。GPSのマップでは小山になっていたがいいかげんな地図なので窪地表示にするべき地形が逆に小山になっていたのだった。ふたつの小山は実はふたつの噴火口というわけ。いま立っているコルはふたつの山の間の峠ではなく、溶岩が流れ出た火口壁のくぼみのようだ。左右が小山のように見えただけ。
この噴火口は迫力がある。直径は100mくらい。深さは50mはありそう。周囲は絶壁になっている。大発見。
太郎が気になって樹海に戻る。太郎を呼んでようやく合流。ランチのあと樹海をくねくくね抜けて植林帯に入り鳴沢林道に出る。
昼過ぎ、車に戻って終了。
炭焼き釜の近く

氷池の北噴火口を見下ろす。ちょっとわかんないね

GPSのマップのトレイル破線をなんとか辿ることができたが、廃道状態で道標などはひとつもない。が、かつては火山ウオッチングのためハイキングルートだったのではないか。

GPSのマップどおり歩いていたら樹海散歩で終わってしまったはずだが、太郎を探しにいったおかげで火口をのぞくことができた。
発見した火口は氷池という名前の双子の火口だった。のぞき込んだのは北側にある方で、もうひとつの火口はその南にあって、大きさはさらに倍ほどもあるようだ。氷池という地名は資料で知っていたが、小さな池だろうと思い込んでいたので、家に戻って地形図を見るまで今日見たあれが氷池だったとはつゆ思わなかった。富士山腹には100もの火山がある。事前にしっかりプランを立ててから行動しないとこんなことになる。
氷池には古人が持ち込んだ祠、氷池白大竜王があってうんぬんかんぬんと、資料にはあった。氷池のふたつの火口は底に下りることもできるらしい。南にある直径200mもの噴火口はさぞかし迫力があることだろう。次回の楽しみにとっておくことにしよう。今回の逆コースで辿れば氷池へはラクに行けるはず。

パソコンに太郎のトラックを落としてみると、なんのことはない、彼は小火口の縁を通って、大火口へ向かい、ちゃっかり火口底に降りて戻ってきていることがわかった。なかなか出来るヤツではある。
緑が太郎。2度も大噴火口に降りている!
富士山を知る見るハイキングガイド伊藤フミヒロ